ポータブル電源でおなじみのJackery(ジャクリ)の業界最小ポータブル電源Explorer 100 Plusが気になったから買ってみた。
Explorer 100 Plusはポータブル電源にしては小さすぎるし、モバイルバッテリーにしてはデカすぎるという中途半端な立ち位置のやつなんだけど、尖ったガジェット大好きマンの私はその中途半端さに惹かれた。
ということでExplorer 100 Plusをレビューしていく。
Explorer 100 Plusの外観・付属品
Explorer 100 Plusの外観と付属品をチェックする。
外観
Explorer 100 PlusのデザインはJackeryおなじみのブラックにオレンジの差し色になっている。
ポータブル電源にしては珍しく2色展開になっていて、ブラック以外にサンドゴールドがある。
サイズは超小型で手のひらの上におさまる12.6×8.7×8.7cm。
重さは0.981kgで1kgをギリギリ下回るレベル(スペック上は0.965kg)。ダンベル代わりには物足りない。
天面は平らになっていて取っ手は付いていない。
側面はオレンジ色の溝が入っている。
底面は置いたときに安定するようにすべりどめが付いている。
正面は各種ポート(USB-C×2、USB-A×1)とディスプレイが付いている。ACポートはないから注意。
付属品
Explorer 100 Plusの付属品は以下の通り。
- 本体
- USB-C to USB-Cケーブル
- 取扱説明書
- 製品保証書
USB-C to USB-Cケーブルはケーブルをまとめるバンドがついていて地味に嬉しい。
取扱説明書はばっちりの日本語で書かれているから安心。
Explorer 100 Plusのスペック一覧
Explorer 100 Plusのスペックは以下の通り。
製品 | Jackery Eplorer 100 Plus |
---|---|
シリーズ | Plus |
発売年 | 2023 |
回収サービス | あり |
搭載バッテリー | リン酸鉄系 |
サイクル寿命 | 2000回(80%) |
サイズ/重さ | 12.6×8.7×8.7cm /0.965kg |
容量 | 99.2Wh(31000mAh) |
充電時間 | 1.8時間 |
定格出力 /最大出力 | USB-C 100W USB-A 18W |
出力ポート | USB-C×2 USB-A×1 |
カラー | ブラック サンドゴールド |
ソーラーパネル | 対応 |
拡張バッテリー | 非対応 |
アプリ | 非対応 |
保証期間 | 2年 |
価格 | 15,900円 |
容量単価 | 160.3円/Wh |
Explorer 100 Plusレビュー
「手のひらサイズ」が売り
Explorer 100 Plusの売り・セールスポイントは「手のひらサイズ」。
ポータブル電源って「思ってるよりデカいものランキング(自作)」上位に入るし部屋に置いとくのは普通に邪魔。
しかも内部にリチウムイオン電池がびっしり詰まっているせいでかなり重い。
そんなデカくて重いポータブル電源の中でも業界最小なのがExplorer 100 Plus。
今までの小型ポータブル電源と呼ばれるものは容量200Wh以上・重さ3kg以上はあったけどExplorer 100 Plusは容量99.2Wh・重さ0.965kgと極小。
製品 | Explorer 100 Plus | 300 Plus |
---|---|---|
容量 | 99.2Wh(31000mAh) | 288Wh(90000mAh) |
サイズ | 12.6×8.7×8.7cm | 23×16.7×15.5cm |
重さ | 0.965kg | 3.75kg |
Jackeryはポータブル電源にこだわりすぎて手のひらにおさまるサイズのポータブル電源を出してしまったわけだ。
私はExplorer 100 Plusみたいに尖った製品が大好物。
ポータブル電源にしては容量が小さい
Explorer 100 Plusは業界最小のポータブル電源であると同時に、ポータブル電源としては致命的な弱点がある。それは
ポータブル電源にしては容量が小さい
ということだ。
ポータブル電源の主な用途が防災・アウトドアである以上99.2Whは心もとない。せいぜいスマホを充電するのが関の山だから、それならモバイルバッテリーでいいという話になる。
モバイルバッテリーにしてはデカい
Explorer 100 Plusはモバイルバッテリーとして使うにはデカすぎる。
モバイルバッテリーで重要なのが気軽に持ち運べるということ。スマホ以下のサイズと重さが理想。
Explorer 100 Plusはリュックには何とか入ってもポケットには入らないくらいのサイズ感。重さも1kg弱あるから1000mlの牛乳パック1本分。
毎日持ち歩くにはちょっときつい。
使い道は難しいけど機能はいい
Explorer 100 Plusはポータブル電源にしては小さすぎるし、モバイルバッテリーにしてはデカすぎるという中途半端な立ち位置。
それゆえExplorer 100 Plusは使い道が難しいという悲しい宿命を背負っている。
とはいえポータブル電源の最大手Jackeryだけあって機能は申し分ない。
具体的には以下の通り。
- リン酸鉄リチウムイオン電池搭載で長寿命
- 安心の2年保証
- 100WでノートPCの充電ができる
- 1.8時間の急速充電
リン酸鉄リチウムイオン電池で長寿命
Explorer 100 Plusに搭載されている電池は「リン酸鉄リチウムイオン電池」。
リン酸鉄リチウムイオン電池を搭載したポータブル電源は三元系と呼ばれるよくあるリチウムイオン電池を搭載したポータブル電源に比べて2倍以上長寿命。
他にも入出力特性と安全性にも優れている。
リン酸鉄系 | 三元系 |
---|---|
サイクル寿命(80%以上) | |
2000回-3000回 | 500回-1000回 |
入出力特性 | |
高い | 普通 |
安全性 | |
かなり高い | 高い |
耐久温度範囲 | |
広い | 普通 |
エネルギー密度 | |
小さい | 大きい |
価格 | |
比較的高い | 比較的安い |
安心の2年保証
Explorer 100 Plusは購入から2年間の保証に対応している。
ポータブル電源は決して安い買い物ではないし、不具合が不安全につながる可能性があるから2年間の保証がついているのは心強い。
100WでノートPCの充電ができる
ノートPCを充電しようと思ったらそこそこの出力がいる。
モバイルバッテリーはせいぜい30Wの出力しかないから、スマホを充電するには十分でもノートPCやタブレットを充電しようと思うと足りない。
その点モバイルバッテリーよりデカいExplorer 100 Plusには100WのUSB-C出力ポートがありノートPCの充電も余裕で可能。
またUSB-C×2とUSB-A×1で最大128Wまでの出力がある。
1.8時間の急速充電
Explorer 100 Plusは100WのUSB-C急速充電にも対応していて高出力のACアダプタを使えば1.8時間で満充電できる。
超小型のポータブル電源なのにしっかりと100Wのソーラーパネル充電にも対応していているのもポイント高い。
小容量とはいえ災害時に停電になっても使える。
動作音が静か
盲点なんだけどポータブル電源は動作音がけっこううるさい。
というのも内部を冷やすためにファンが搭載されているから。
Explorer 100 Plusは小型でファンが必要ないレベルだからその分静か。
Explorer 100 Plusの使い道
Explorer 100 Plusは「機能はいいのに使い道が難しい」ポータブル電源。つまりもったいない。
ということで現実的なExplorer 100 Plusの使い道を考えてみた。
出張先で電源がないとき
大前提としてスマホの充電はモバイルバッテリーで十分。
となるとExplorer 100 Plusの絶妙なサイズと出力を活かしてノートPCの充電なら使う余地あり。
ノートPCを持ち運ぶ場面といえば出張。
移動中やカフェで作業したいときに電源がないパターンは考えられるから、Explorer 100 Plus1台あればそういった場面は乗り切れる。
またリュックに入れるにはちょっと邪魔だけどスーツケースなら許容できるくらいのサイズ感だから、出張に持って行くのはありなんじゃないかと思っている。
1泊のキャンプ
1泊のキャンプならExplorer 100 Plus1台で2,3人のスマホの充電をまかなえる。
キャンプはどっちみち大荷物になるからExplorer 100 Plus程度のサイズのポータブル電源なら誤差。
気持ち程度の非常用電源
Explorer 100 Plusは防災用のポータブル電源にしては容量が小さすぎて心もとないけど「ないよりはまし精神」で自宅に置いておくのはあり。
ソーラーパネルもセットで持っておけば実質無限に充電できる。
まとめ:Explorer 100 Plusという新ジャンル
この記事ではackery(ジャクリ)の業界最小ポータブル電源Explorer 100 Plusをレビューした。
Explorer 100 Plusはポータブル電源にしては小さすぎるし、モバイルバッテリーにしてはデカすぎるという中途半端な立ち位置のやつなんだけど性能は抜群。
出張先に持って行ったり、1泊のキャンプで使ったりピンポイントで輝くポータブル電源になっている。
もはやポータブル電源でもモバイルバッテリーでもないExplorer 100 Plusとして考えたほうがいいかもしれない。
では、バイぜ。
Explorer 100 Plusに100Wで高速充電できるソーラーパネルは以下。
Explorer 100 Plusでも使えるJackeryの最小ソーラーパネルは以下。
補足
Jackeryはどこの企業?
Jackeryはアメリカのカリフォルニア州で2012年に設立され、世界中でポータブル電源やソーラーパネルを販売する企業。
創業はアメリカだけど製造元は中国深圳。
Jackeryの日本法人であるJackery Japanは2019年に設立され、日本市場向けに製品の販売やサポートを行っている。
ちなみにJackeryというブランド名の由来は「Jacket」と「Battery」を組み合わせたもので、「まるで⾝に着けるように、バッテリーを簡単に使えるようにしたい」という思いが由来となっているらしい。